骨盤底筋群という言葉を聞いたことはありますか?
馴染みがない言葉かもしれませんが、実は最近骨盤底筋群のトレーニングが大人の女性から注目されているのです。
骨盤底筋群を鍛えることで、得られるメリットや鍛え方について今回はご紹介していきます。
骨盤底筋群とは?
まず骨盤底筋群とはどの部位にあたるのでしょうか。
骨盤底筋群は、読んで字のごとく骨盤の底にある筋肉を指しています。
恥骨や鼻骨、座骨などを支えている筋肉であり、まるでハンモックのようについているものです。
普段、膀胱や子宮、直腸などを支えています。
また、このほかの働きとして、便の排せつや排尿のコントロールを行う働きがあります。
便意、尿意が出てくると緩むという性質を持っており、それによって排せつができるという仕組みです。
ただし、骨盤底筋が衰えてしまうと、内臓や膀胱、子宮が下がってしまい、骨盤の中でも最も下の位置にある膀胱が押され、骨盤底筋群に負荷がかかるなどすることで、締める力が弱くなってしまって、ちょっとした腹圧で尿漏れを起こすことや頻尿といった症状が出てしまうことがあります。
骨盤底筋群を鍛えるとどんな効果があるの?
骨盤底筋群は、加齢、妊娠や経膣分娩による出産、肥満、運動不足などによって衰えてしまいます。
出産を経験した女性は、更年期を迎えて女性ホルモンの分泌量が低下していくような頃から骨盤底筋群の筋力が衰えるのです。
骨盤底筋群が衰えてしまうと、尿漏れを起こしてしまったり、頻尿になったり、ポッコリお腹になってしまうなどといったトラブルが起こってしまいます。
40代になってくると、ちょい漏れも含む尿漏れに悩まれる方が多いです。
くしゃみをしただけで、または重い荷物を持ち上げただけで尿漏れしてしまうといった症状がよく見られます。
これを腹圧性尿失禁と呼びますが、これはまさに骨盤底筋群の衰えによって起こる病気です。
ところが、骨盤底筋群をトレーニングによって鍛えることで、尿漏れも、ポッコリお腹も防ぐことができるでしょう。
また、骨盤底筋群を鍛えることで姿勢を良くすることができることから、姿勢が悪いことで起こっていた腰痛が改善することもありますし、さらに冷え性の緩和などにもつながると考えられています。
骨盤底筋群の鍛え方
衰えてしまった骨盤底筋群は、あきらめてしまったほうが良いのでしょうか。
何かなす術はないのでしょうか。
実は、衰えてしまったとしても、骨盤底筋群は数ヶ月かけて地道に鍛えることで、尿漏れなどの症状を改善することができる可能性が高いです。
そこでおすすめしたいのが、骨盤底筋群のトレーニングです。
骨盤底筋体操は、基本的に座ってやっても、寝た状態でも四つん這いの状態でも行うことができますが、最もやりやすいのはあおむけに寝た状態で行う方法でしょう。
朝起きてすぐや就寝前のルーティーンとしてできるので、今回はあおむけの状態で行うトレーニング方法についてご紹介していきます。
1.あおむけになって、両足を肩幅くらいに開き、膝を立てましょう。
2.体の力を抜いた状態で、肛門と膣を5秒ぎゅっと締めつけましょう。
3.その後、しっかりと肛門と膣を10秒ほどかけて緩めて、ゆっくりと骨盤底筋群を緩めることで、筋肉の負担を軽減させながらトレーニングができます。
これを10回繰り返し行いましょう。
この一連のトレーニングを1日3セットは行うのが望ましいでしょう。
尿漏れを改善したい方は、少し多めに1日5セットほど行うとより効果的です。
すぐに効果が出るものではないので、半年以上はかかるものだと思ってトレーニングを続けていくと良いでしょう。
まとめ
骨盤底筋群は、経膣分娩を経験した女性や運動不足、肥満の女性にとって緩みやすい筋肉です。
骨盤底筋体操でトレーニングを継続的に行うことによって、骨盤底筋群の緩みから生じる尿漏れや頻尿などの症状を緩和させることができます。
さらには、冷え性の緩和や腰痛の改善、ポッコリお腹の予防にもつながると言われています。
女性にとって嬉しいメリットのある骨盤底筋群を、ぜひ皆さんも鍛えられてみてはいかがですか。