テストステロンというと、男性ホルモンの一種というのはご存知の方も多いかもしれません。
男性のEDなどと関係が深く、テストステロンが減少すると男性力が衰えるなどとも言われています。
このテストステロンは、女性の体にも存在しているのをご存知でしょうか。
この記事では、女性とテストステロンの関係についてご紹介していきます。
テストステロンとは
テストステロンは男性ホルモンの一つですが、男性ホルモンだから男性だけ、女性ホルモンだから女性の体にしか存在しないわけではありません。
男性でも女性ホルモンは存在しますし、女性も男性ホルモンが存在します。
テストステロンは男性では精巣で産生されていますが、女性の場合は精巣はないので、副腎や卵巣で産生されるホルモンです。
もっとも、女性の体内で産生されたテストステロンは、アロマターゼという酵素の働きで、女性ホルモンに変換されてしまいます。
最初から女性ホルモンとして存在すれば良いのにと思われそうですが、人間の体はそう単純ではありません。
見方を変えると、女性ホルモンの量を適切に保つためにも、テストステロンの産生は欠かせないということです。
テストステロンの役割
女性の血液中のテストステロン濃度は、男性に比べると5~10%にすぎません。
もっとも、女性の卵細胞の成長や成熟に重要な役割を果たす顆粒膜細胞を増殖させるためには、テストステロンが欠かせません。
不妊治療をする際に、排卵誘発が行われるケースがあります。
この時、排卵誘発の反応が思わしくない女性に対し、経皮テストステロンを投与することで成熟卵の獲得数が増えたことや生児獲得数が増加したという治療の実績報告がなされています。
一方で、テストステロンが女性において過剰産生されると、今度は排卵障害を誘発するので注意しなくてはなりません。
卵巣から男性ホルモンが過剰に産生してしまう症状を、多嚢胞性卵巣症候群と呼びます。
多嚢胞性卵巣症候群は排卵障害を引き起こし、不妊症の原因の一つとなるので注意が必要です。
テストステロンのバランスが重要
テストステロンは男性ホルモンの一つであり、男性の精力に影響するホルモンです。
また、テストステロンは男女問わず、性衝動を高める働きがあると言われています。
肉食系と呼ばれる女性は、女性ホルモンが多く性に関して積極的なように思われますが、実はテストステロンの影響が大きいのかもしれません。
テストステロンは生殖活動を活発にするホルモンである一方、女性にとっては排卵障害を引き起こすリスクもあるため、男性と違って多量に産出されることはマイナス面も想定されます。
何事もバランスが大切です。
よくホルモンバランスが崩れないようにと言われることがありますが、これは女性ホルモンに限らず、男性ホルモンなどのホルモン全体を含めてバランスを取ることが大切になります。
テストステロンのバランスを図るために
テストステロンは、コレステロールを原料に産生されます。
そのため、肉や魚卵、バターなどコレステロールが高い食べ物ばかり、大量に摂取するのは好ましくありません。
何事もバランスが大切なのは、食生活や生活習慣においても同じです。
好きなものばかり食べることや特定のものばかり食べるのではなく、栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスを溜めない生活が大切です。
健康的な生活習慣は、ホルモンバランスを整え、乱れを防ぐことができます。
まとめ
テストステロンは男性ホルモンの一つですが、女性の体でも産生されています。
卵細胞の成長や成熟をサポートする役割や性欲を高めてくれる働きがありますが、女性の体で過度に産生されると排卵障害につながるので注意が必要です。
以上、女性とテストステロンとの関係についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。